京都府立大学大学院農学研究科 農業生態学研究室

  准教授 本杉日野 
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■ 研究テーマ
キーワード:果樹遺伝資源、倍数性、ブドウとワイン、台木、草生栽培、チャ、カキ


    (1)ブドウの栽培省力化と果実品質向上を目指した台木の開発

 おいしく,魅惑的な着色をした果実を生産するためには,枝葉の過剰な成長を抑えて果実成熟を行わせるとよいが,このためには穂木品種の成長を適度に抑制する台木を育成する必要があります.スライド01
 そこで,ブドウにおいて,染色体倍加させることにより新しい台木を育成し,その実用試験を行っています.スライド02
 また,この倍数体台木が,土壌中の養水分や,土壌生物群などの土壌環境に対してどのような適応性を示すかについて研究を行っています.

写真 ブドウ‘巨峰’を接ぎ木した4倍体台木における圃場試験


写真 ブドウ‘巨峰’を接ぎ木した4倍体台木における果実着色促進

左側の通常使用される台木'5BB'に接ぎ木した‘巨峰’果実に比べ,右側の4倍体'5BB'に接ぎ木した‘巨峰’果実では着色が非常に優れています.

写真 ブドウ‘の根に共生するArbuscular菌根菌および寄生するブドウネアブラムシ


写真は倍数性台木の土壌生物に対する適応性の例として,作物根に共生することで成育に貢献するarbuscular菌根菌の感染の様子,および根に寄生するブドウネアブラムシに対する抵抗性についての試験のものです.


    (2)草種の生態的特性を利用した樹園地表土管理法

イネ科の帰化植物ナギナタガヤは春先に旺盛な成長をして他の雑草の生育を抑制するとともに,作物の生育を助けるarbuscular菌根菌と作物根との共生関係の確立を促進します.ナギナタガヤは5〜6月に出穂・倒伏して地表を覆うため,枯死した後も敷き草状となって夏季の雑草発生を防止し,土壌水分の損失を抑えるとともに地温上昇を和らげます.また,ナギナタガヤの根や茎葉残渣は土壌有機物として蓄積し,土樹の物理化学性を改善する効果があります.このように様々な草種の生態的特性を利用して樹園地の雑草管理の省力化と土壌環境の改善を図るための研究を行なっています.


写真 ナギナタガヤ草生モモ園(7月)


写真 省力化と環境負荷軽減を目指したナギナタガヤ草生ワインブドウ栽培




    (3)永年生作物{果樹(特にブドウとカキ)および茶樹}の遺伝資源収集とその生理・生態的特性の評価および利用

 (果樹遺伝資源リスト)

 (カキ遺伝資源リスト)

 (茶樹遺伝資源リスト)






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